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四万温泉薬師堂にまつわる歴史と温泉の効果

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多くの名湯が湧き出ている群馬県。群馬県には草津温泉や伊香保温泉、嬬恋温泉、万座温泉、水上温泉などたくさんの温泉郷があり、海外からも観光客が訪れている人気のスポットです。

その中でもこの記事では新潟県との県境に位置する上州の名湯、四万温泉に注目して薬師堂にまつわる歴史と温泉の効果についてご紹介をしていきたいと思います。

都心から2時間余り、癒しと温かさそして古い歴史のロマンあふれる四万温泉の魅力をたっぷりお伝えしたいと思います。

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1.四万温泉発祥の歴史とお薬師様

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草津、伊香保と並ぶ温泉地である四万温泉はたいへん古い歴史のある温泉郷です。そしてその歴史を紐解くうえで欠かせないのが薬師堂。あらゆる病を治すと信じられている薬師如来を祀った薬師堂がこの地に造られたのは、四万温泉の発祥伝説に由来しています。

まずは四万温泉の発祥伝説と薬師堂についてご説明したいと思います。

1.国指定重要文化財 薬師堂

薬師堂は、あらゆる病を平癒する医薬の仏として信仰を集めている薬師如来を本尊として祀っている仏堂のことで、全国各地に造られており国宝に指定されているものもあります。

群馬県中之条市にある薬師堂は最初に建てられた薬師堂を再建したもので、慶長3年(1598年)当時の領主真田幸信の武運長久を願って建立されました。

室町時代の建築様式を色濃く残すものであり、明治45年2月8日に国指定重要文化財に指定されました。当時は国宝に指定されていましたが昭和25年の法改正によって国指定重要文化財となりました。

2.日向見薬師堂

日向見薬師堂が建てられた経緯である四万温泉の発祥伝説をご紹介したいと思います。四万温泉の発祥伝説は二つあります。

一つは桓武天皇の時代(737~806年)に征夷大将軍であった坂上田村麻呂がこの地で入浴をしたというもの。

もう一つの発祥伝説は延暦年間(782~806)に、源頼光の家臣【碓氷貞光】が越後より四万の峠を越えて日向見にやってきました。

碓氷貞光が山の景色や谷川の音に耳を澄ませながら寝ずにお経をあげていると、ふと眠気に襲われた貞光の夢枕に一人の童子が立ちお告げをしたのです。

【熱心な読経に感心し、四万(よんまん)の病をいやす霊泉をさずける。我はこの山の神なり。】そして眠りから覚めた貞光が見てみると、こんこんと湧き上がる温泉を発見したというものです。

貞光はその場所に薬師堂を立てて薬師如来像を安置しました。そして発見された土地の名と、お告げの内容に従って四万温泉(しまおんせん)と名付けられたのです。初めに湧き出した温泉は御夢想の湯という名前の入浴施設として、現在も薬師堂の隣に存在しています。

3.お籠堂と薬師堂

日向見薬師堂の前に建っている建物が、町指定重要文化財に指定されているお籠(おこもり)堂です。お籠堂は病気の平癒を願った人々が薬師様に祈るために建てられました。

お籠り堂が建てられたのは薬師堂が建てられてから16年後だという記録が残っており、お籠り堂から薬師堂の正面へと出られるつくりになっています。

薬師堂のつくりは間口三間、奥行き三間の茅葺屋根で、堂内にある逗子は天文6年(1537年)に造られました。また薬師堂は県内で唯一の国重要指定文化財の寺院建築であり、県内最古の寺院建築でもあります。中央に通路が作られているお籠り堂とともに貴重な建築物で、当時の人々の信仰の深さをうかがい知るものとなっています。

2.薬師如来を祀る神社

様々な病や怪我を癒す温泉水は古くから神聖なものとされ、人々の信仰を集めてきました。そして、仏教が世に広まってくると医薬の神である薬師如来の信仰が盛んになりました。

四万温泉にも薬師如来を温泉大明神として祀った【湯前神社】が存在しています。四万温泉にある湯前神社は5つありますが、この項目ではそのうちの3つをご紹介したいと思います。

1.日向見薬師堂

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日向見薬師堂に祀られている薬師如来は、温泉で病の治癒に来る人々から【湯前薬師】と呼ばれて古くから敬われてきました。日向見薬師堂では、お釈迦様の生誕を祝う4月8日に堂内に納められている有難い経典に風を通して参拝客の無病息災を願う春の薬師祭りが行われています。

春の薬師祭りではその他にも無料の甘酒がふるまわれたり、福引大会が開催されるなど地元でも一大イベントとなっています。

2.山口湯前神社

四万温泉山口地区にある湯前神社の一つ、山口湯前神社です。こぢんまりとした小さな神社ですが、薬師明神の名で人々に親しまれています。毎年の秋季大祭の折には華やかな山車が温泉街を練り歩き、普段静かな温泉街が賑やかなお囃子や太鼓の音色に包まれます。

3.新湯湯前神社

新湯湯前神社は新湯地区にある温泉神社です。新湯地区は四万温泉郷の中心街であり四万たむらという旅館の裏手にあるため、比較的観光客も訪れる場所となっています。

秋季例大祭の折には山口地区と同様に新湯地区からも山車が引かれ、温泉郷の中を練り歩きます。

3.薬師如来を祀るお祭り

前項目で簡単に触れましたが、四万温泉郷では毎年秋になると伝統的なお祭り【四万温泉秋季大祭】が執り行われます。薬師如来を温泉明神として祀っている5つの湯前神社のお祭りで、山口地区と新湯地区からそれぞれ山車が引かれ温泉街の中を練り歩きます。

鮮やかな山車と子供たちによるお囃子や笛の演奏の様子をご紹介したいと思います。

1.山車

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秋季大祭では新湯地区と山口地区よりそれぞれに山車が引かれて、温泉街の中を巡ります。山車の先端には長いひもが付いているのですが、一般の観光客でもひもを持って山車を引くことができます。

地元の人々みんなで作り上げている伝統的で温かいお祭りですので、機会があればぜひお祭りに参加してみることをお勧めします。山車はたくさんの提灯や花で飾り付けられており、夜になると提灯の明かりに照らされて幻想的な雰囲気を醸し出しています。

2.化粧をした子供たち

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山車に乗ってお囃子の音色を奏でているのは、鮮やかな化粧を施した地元の小、中学校の子供たちです。秋季大祭が近づいてくると子供たちは3週間も前から毎晩笛、太鼓の練習に励んでいるのです。

四万温泉の子供たちは小学1年生になると、この伝統的なお祭りのための太鼓の練習が始まります。最初はリズムを覚えるのも大変な様子が、年を重ねていくごとに素晴らしい音色を奏でていくようになります。

先輩たちが小さな子供たちにやさしく演奏の仕方を教え、さらにその下の子供たちによって受け継れていく。そんな素晴らしい光景が脈々と受け継がれた子供たちの演奏をぜひ実際に体験してみてください。

3.若連による八木節の演奏

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地元の子供たちによるお囃子の演奏と、飛び入り参加も可能な地域全員の手で作られているこのお祭りでは、若連による八木節の演奏も行われています。様々な人の手によってひかれている山車は各旅館を回り、それぞれの旅館の玄関先で八木節の演奏を見ることができます。

八木節は群馬県と栃木県の2県にまたがり愛されている踊りで、旅館に泊まっている観光客でも気軽に踊りに参加して楽しむことができます。軽快なリズムに乗って地元の人と一緒に楽しむのも地域ならではのお祭りの楽しみ方ではないかと思います。ぜひ参加して踊ってみてはいかがでしょうか。

4.四万温泉の効能

ここまでは主に四万温泉の発祥伝説に関する薬師堂についてと、薬師如来を祀った神社で行われている伝統的なお祭りについてご紹介してきました。ここからの項目では、はるか昔より病を癒すとして湯治場としての人気を博してきた四万温泉の効能に関してお伝えしたいと思います。

1.胃腸病に効く飲泉

四万温泉の泉質は場所により多少の違いはありますが、基本的にナトリウム・カルシウムの含まれた塩化物泉、または硫酸塩泉となっています。温泉の効能は入浴した場合胃腸病、神経痛、皮膚病、擦り傷、切り傷、アトピー性皮膚炎などがあり、飲泉した場合には胃腸病、食欲増進の効果があるとされています。

はるか昔より【四万の温泉は入浴すれば肌によく、飲めば胃腸にいい】と言われてきました。そのため四万温泉の各所には飲泉所があり、旅館の中にも飲泉所が存在する場所が多数存在しています。

2.ゆずりは飲泉所

四万温泉の日向見地区にある、国民宿舎ゆずりは荘の目の前の建物がゆずりは飲泉所です。八角形の珍しい形の建物の中には飲泉所のほかに新しく作られた無料の足湯が併設されています。

泉質は硫酸塩泉で温度は64.5℃とやや高温になっていますが、飲泉時には2倍の濃度に希釈する必要があるため適温で味わうことができます。飲泉時の適応症は慢性胆のう炎、胆石症、慢性便秘、肥満症、糖尿病、痛風となっています。飲泉所の案内に従って適量を摂るように注意してください。

3.塩之湯飲泉所

新湯地区の中心地にある飲泉所、塩之湯飲泉所です。四万温泉の中心に近い場所にあり、東屋風の屋根が目印の小さな建物です。ヒョウタンのような形をした二つの鉢に、味のあるカエルの置物の口から温泉が注がれています。

こちらの泉質は明治の湯という源泉から引いており、ナトリウム・カルシウムが含まれた硫酸塩泉です。塩の湯という名前の通りほのかな塩味があり、55.2℃のややぬるめのお湯で飲みやすい温度になっています。

飲泉するときは成人で150mlを超えないようにし、希釈せず食後に飲むと効果があります。適応症は慢性消化器病、慢性便秘、慢性胆のう炎、胆石症、肥満症、糖尿病、痛風 となっています。飲泉所の案内に従って適量を摂るように注意してください。

4.日向見薬師堂の足湯

四万温泉には現在山口地区と日向見地区にありますが、そのうちの四万温泉最奥地である日向見地区の日向見薬師堂の足湯をご紹介したいと思います。日向見薬師堂の足湯は、碓氷貞光が発見したといわれる御夢想の湯の隣にあります。温泉から上がった人たちが待合に利用したり、山門の見学者たちが利用するなど常に人が集まり賑わいを見せています。

地元の人たちにも愛されている温泉でタオルを片手に気軽に会話を楽しんだり、交代で足湯の浴槽やベンチの清掃を行ったりしています。御夢想の湯と同様に無料で利用することができます。

泉質はゆずりは飲泉所の足湯と同じものでナトリウム・カルシウムが含まれた硫酸塩泉です。温度は47℃とやや熱めでぽかぽかと体が温まり、歩き疲れた足をジンワリとほぐしてくれます。山門の静かな雰囲気の中でじっくりと足を温めながら、春の新緑や秋の紅葉、降りしきる雪など心静かに眺めてみてはいかがでしょうか。

5.四万温泉の見どころ

1.国民保養温泉地第一号に認定されている町並み

四万温泉郷には温泉街につきものの歓楽街のネオンやコンビニなどはありません。

特に古くからの湯治場の雰囲気を色濃く残す山口地区には、細い路地裏や張り巡らされたボイラー、隠れるようにひっそりと建っている小さな神社など都会では味わえない情緒があります。入浴後の散策などにお勧めしたいと思います。

2.昭和のたたずまいを見せるスマートボールの店

ある世代にはとても懐かしいスマートボールのお店、柳屋遊技場。芸能人もたくさん訪れるお店で店内にはサインが飾られています。スマートボールはビー玉をはじいて穴の中に入れるゲームで、50球500円で遊ぶことができます。スマートボールを初めて遊ぶという人でも女将のふじこさんが丁寧に教えてくれます。

スマートボールのほかにも昭和の時代のパチンコ台が並んでおり、お茶やお菓子をいただきながら楽しいお話ができるのもこのお店の魅力の一つです。結果によってはプレゼントがもらえるのでぜひ挑戦してみてください。

3.甌穴

自然が生み出した神秘、甌穴も四万の魅力の一つです。甌穴は何万年という膨大な時の流れが造り上げた川の底の穴のことです。川底の石が流れに負けずその場で動くことによる振動が徐々に穴を作り出し、130メートルほどの間に大小8個の甌穴が見られます。

最大で深さ3.2メートル、幅が8メートルにも及ぶ巨大なもので県指定の天然記念物になっています。駐車場もありますので地球の神秘を体感してみてください。

4.県の重要文化財、積善館

300年の歴史を誇る積善館は県の重要文化財に指定されています。赤い橋が特徴的な外観はテレビドラマの撮影にも使われたり、スタジオジブリ作品【千と千尋の神隠し】の油屋のモデルになったといわれています。

浴槽も大正の時代を感じさせるレトロな造りとなっています。日帰り温泉としても営業していますので四万の湯と歴史の重みを両方体感することができます。

まとめ

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いかがでしたでしょうか。はるか昔から病をいやす霊泉として親しまれてきた四万温泉。心静かに祈りを捧げ地球の温かさに触れる。そんな静かな楽しみ方ができる四万温泉にぜひ一度足を運んでみてください。

こちらの記事が少しでも皆様のお役に立つことができましたら幸いです。


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