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イギリスとイングランドの違いと歴史

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みなさんは「イギリス」と聞くと、どの国を思い浮かべますか?おそらく、日本人ならば皆同じ国を思い浮かべるでしょう。ヨーロッパ大陸の北西岸に位置するエリザベス女王が統べる国であり、数年前にはキャサリン妃が可愛い赤ちゃんを出産されましたよね。そんなことが頭に浮かぶ方もきっといらっしゃると思います。

しかし、世界には「イギリス」という国は存在しないのです。「イギリス」と言って通用するのは日本だけで、実は海外では通用しません。身近な例として、サッカーの代表国は「イギリス代表」ではなく、「イングランド代表」となっていませんか?「言われてみれば…」と思われる方も多いはず。そして、「なんでイギリス代表と言わないのだろう?」と一度は考えられた方もいらっしゃると思います。

そこでこの記事では「イギリスとイングランドの違いと歴史」についてご紹介していきます。イギリスとイングランド、なぜ二つの名称があるのか、その違いはどこからきているのかについて学んでいきましょう。

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1.イギリスという国は存在しない?

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冒頭でも述べましたが、イギリスという国は存在しません。グレートブリテン及び北アイルランド連合王国のことを、日本では通称「イギリス」とよんでいます。「そういえば、なんだか聞いたことがあるような…」と思い当たる方もいらっしゃると思うので、さらに詳しい内容をご説明していきましょう。

1.イギリスの正式名称

イギリスの正式名称は、日本語で「グレートブリテン及び北(場合によっては北部)アイルランド連合王国」であり、英語では「the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland」となります。この略称として、日本では「イギリス」とよばれているのです。

イギリスは、イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドの4つの国から構成されています。いわば別々の国同士が集合体となり、大きな国を形成していることになります。

そして、この4つの国にはそれぞれの文化・歴史・言語があり、個別の個性をもっています。それぞれの国を行き来するのに制限はありませんが、全く別の国同士の集合体と認識してもよいでしょう。

2.地図で見るイギリス

前述にてイギリスは4つの国で構成されていると述べましたが、地図上ではどのようになっているのでしょうか。

イギリスには、グレートブリテン島とアイルランド島があります。アイルランド島の北東部に北アイルランド、グレートブリテン島の北部がスコットランド、南部はイングランド、そして西部がウェールズとなっています。アイルランド島の北アイルランドを除いた地域はアイルランド共和国となっており、イギリスとは別の国になります。

3.イギリスの歴史

1200年代にイングランド王国がウェールズ公国を併合し、それ以降のイングランド次期王位継承者には「プリンス・オブ・ウェールズ」の称号を用いることになりました。その後1500年代にイングランドがアイルランドを植民地化し、1600年代にはイングランドとスコットランドが連合することとなりました。

1700年代にイングランドとスコットランドの連合国「グレートブリテン王国」が誕生し、1800年代にアイルランドを正式に併合して「グレートブリテン及びアイルランド連合王国」となりました。しかし、1900年代にはアイルランドの大部分が独立し現在の「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」となるに至ったのです。

4.ユニオンジャックの意味

よく耳にする「ユニオンジャック」ですが、これはどんな意味があるのかご存知でしょうか。ユニオンジャックとは、イギリスの国旗を表す言葉です。それでは、なぜこのような国旗になったのでしょうか。

イングランドとスコットランドが連合した時に、イングランドの国旗である「セント・ジョージ旗」(白地に赤十字)と、スコットランドの国旗である「セントアンドルー旗」(青地に白対角十字)が組み合わされました。その後、アイルランドの国旗である「セントパトリック旗」(白地に赤対角十字)も加わり、ユニオンジャックが出来上がったのです。まさに、イギリスの歴史を表す国旗となっていますよね。

ちなみに、ウェールズの国旗はユニオンジャックには反映されていません。ウェールズもUKを構成する1国なので、国旗に反映させる意見もあるようですが、未だに実現されていません。もし実現されたらどんなデザインの国旗になるのか、楽しみですね。

2.イングランドとは

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グレートブリテン及び北アイルランド連合王国を形成する国の1つであり、グレートブリテン島南部の約3分の2がイングランドとなっています。首都はロンドンで、連合王国の政治・経済の中心地でもあります。イングランドの名称は、ゲルマン人の一種であるアングル人の土地を意味する「Engla-land」に由来しているとされています。

日本では、イングランドのことを狭義の意味でイギリス・英国と使用されることがありますが、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国とは違うので注意が必要です。

1.イングランドってどこにあるの?

上記地図の緑色(広い方)の部分がイングランドです。スコットランド・イングランド・ウェールズのある島がグレートブリテン島であり、北アイルランドのある島がアイルランド島となります。また、シリー諸島・ワイト島など周囲にある小さな島々もイングランドになります。

2.イングランドってどんなとこ?

日本の北海道よりも北に位置するイングランドは、一年を通し雨の多い気候です。夏の平均気温は20度前後なので日本よりも涼しく、冬は雪があまり降らないので過ごしやすい環境です。

「英国紳士」のイメージ通り、イングランド人はマナーやエチケットを重視する国民性です。相手の立場や意見を尊重する傾向は日本人と似通っているので、イングランドの習慣に慣れてしまえば日本人にとって住みやすい国といえるでしょう。その反面、サッカーにおいては熱狂的な国であり、フーリガンと呼ばれる熱狂的サッカーファンが暴徒化した集団も存在しています。

イングランドの治安は他のヨーロッパ各国と比べると比較的良い方ですが、夜道や公共交通機関での居眠りは危険です。スリや置き引きの被害もあるので、日本と同じような感覚で過ごすと危険が伴いがちです。神経を研ぎ澄ますほど神経質にならなくても大丈夫ですが、日本にいる時よりは周囲に気を配ることが必要です。

3.オリンピックの出場はどうしてるの

イングランドがオリンピックで出場する際、「イングランド」ではなく「グレートブリテン」として出場しています。つまり、イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドの統一チームとして出場しているのです。

これは第1回オリンピックが開催された時からのことで、現在でもこの統一チームで出場しています。オリンピック出場は1国に1チームと決められているので、サッカーとは違い統一チームとしての出場になっているのです。

3.サッカー代表にイギリス代表はない

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前述でも述べましたが、サッカーにおいてイギリス代表は存在しません。オリンピック代表の場合はグレートブリテンとしての統一チームになりますが、サッカーでは、イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドのそれぞれ4国の代表となります。

ではなぜサッカーの場合はこのように別チームとなるのでしょうか。詳しくご説明していきたいと思います。

1.イングランド代表はイギリス代表ではない

日本人の感覚として「イギリス=イングランド」と思いがちなため、イングランド代表はイギリス代表だと認識している方も多いのではないでしょうか。しかし、イングランドは4つの国からなる連合王国を構成する1国なので、イギリス代表となるわけではありません。

そのため、サッカーの試合においては代表チームの国旗はユニオンジャックではなく、各々の国の国旗となるのです。

2.イングランドとサッカーの歴史

現代サッカーの母国はイングランドといわれていますが、ボールをゴールに運ぶスポーツは世界中で楽しまれていました。1863年にサッカーのルールを統一化し、フットボールアソシエーション(FA)といわれるサッカー協会がイングランドにて設立されたことが、現代サッカーとの境界といわれています。

19世紀にイギリスで起こった産業革命をきっかけに、サッカーは世界中に広まりました。イギリス製品の輸出とともに、技師などがサッカーを他国で広めたのです。世界中で楽しまれるようになったサッカーは、やがて国際大会を開催して他国との試合も楽しもうということになり、国際サッカー連盟であるFIFAが設立されました。

3.FIFAとサッカー協会

1904年にFIFAが設立されるまでは、世界各国に設立されたサッカー協会が国別対抗の試合を取り仕切っていました。しかし、国際試合が盛んになるにつれ同一のルールが必要になり、またどこの国が一番強いか決めようという動きが出てきたので、各国のサッカー協会が連盟を作りフランス主導のFIFAが設立されました。

しかし、すでにフットボールアソシエーションが設立されていたイギリスでは、連合国の4国(イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランド)こそが最強だと自負しており、FIFAには加盟しませんでした。

そんな背景もあり、最初の加盟国は13ヵ国と少なかったものの徐々に加盟する国が増加していきました。イギリスにおいても、ブラジルにて開催された第4回ワールドカップから参加することになり、現在FIFAの下には「アジアサッカー連盟(AFC)」や「ヨーロッパサッカー連盟(UEFA)」など大陸別の地域連盟もでき、208の国と地域が加盟しています。

4.なぜイギリス代表がつくられないのか

イングランドで設立されたFA(フットボールアソシエーション)は、FIFAが設立される約40年前から活動していました。連合王国の4国それぞれにサッカー協会が存在しており個別の活動が盛んだったため、FIFA加盟時には4協会別々に加盟することを主張しました。

当時からイギリスサッカーは圧倒的な強さを誇っており、イギリスが加盟することでさらなる盛り上がりの利点もあることから、4協会個別の加盟を認めたといわれています。

そのため、FIFAへの加盟は原則1国1協会でありながら、イギリスにおいては特例としてイングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドの加盟が認められました。このような背景から、サッカーにおけるイギリス代表が存在しないのです。

とはいえ、イギリスはサッカーの強豪国。イギリス代表を作ればより強いチームができるのでは、という声も上がったそうですが、4協会から猛反発を受けて結局実現するには至りませんでした。それだけ、各々のサッカーにプライドと誇りをもっているのでしょう。

余談ですが、イギリスの加盟以降、FIFAは一定の自治がされている地域を一代表として受け入れることになりました。その最たる例として、中国の「中国」・「香港」・「台湾」・「マカオ」が挙げられます。FIFAの規則をも変えてしまうほど、イギリスのサッカーは世界に必要とされていたのですね。

まとめ

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イギリスと日本との付き合いは江戸時代に遡りますが、当時はイギリスのことを「ぶりたにあ」「あんぐりあ」と呼んでいました。時代が進むにつれ、次第にポルトガル語やオランダ語が訛り「エゲレス」「イギリス」と呼ばれるようになり、「英吉利」の漢字があてられて通称「英国」と表されるようになっていきました。

そんな由来もあり、現在の日本では「イギリス」が国名だと思いがちなんですよね。しかし、実際にはイギリスという国は存在せず「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」が正式名称だと知ってみると、その歴史や成り立ちが非常に興味深いものだと思います。

私自身、イギリスは通称であり国名でないということは知っていましたが、詳しい内容までは知りませんでした。特に、サッカーの試合では「オリンピックではイギリス代表なのに、なぜサッカーではイギリス代表がないのだろう?」と疑問に思っていました。

今回記事を作成するにあたり色々調べていくうちに、サッカーやFIFAの歴史を知ることとなり、「こんな過程があって4チームになっているのか!」と驚きました。ちょっとした豆知識と雑学ですが、歴史を知ることでこれからサッカーを見る目も変わってくるかもしれませんよ♪


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