京都駅から東福寺に行くのに最短のルートを取ればJR奈良線に乗車して1駅3分で最寄駅である東福寺駅に到着しますが、少しまわり道をして途中の観光スポットを巡りながら行くこともできます。
京都駅から市バス208系統(時計回り)に乗車して東福寺にアクセスする途中には、三十三間堂・京都国立博物館、豊国神社・方広寺、智積院、新熊野神社があります。
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京都国立博物館の旧本館
まず最初に京都駅から市バス208系統(時計回り)または206系統に乗車して、「博物館・三十三間堂前」バス停で下車します。距離が短いので、京都駅でバスに乗車したら前方の出口に近い所に移動するようにします。
バス停を降りると、北側に京都国立博物館の旧本館(レンガ造りの建物)が見えます。ちなみにこの旧本館の建物は国の重要文化財に指定されています。常設展に加えて特設展があり、落語やコンサートなどのイベントが開催されることがあります。京都国立博物館は入館料520円で、毎週月曜日が休館日で朝9時30分に開館します。
豊臣秀吉ゆかりの豊国神社と方広寺

国立博物館の北側には豊臣秀吉ゆかりの豊国神社と方広寺があります。方広寺といえば梵鐘の銘(国家安康)がきっかけとなり、大阪の夏の陣・冬の陣で徳川家康が豊臣家を滅亡させた「方広寺事件」が有名です。この梵鐘は今でも見ることができ、問題となった「国家安康」の部分には印がつけられています。創建当初、方広寺には奈良の東大寺にある大仏よりも大きな大仏「京の大仏」が安置されていました。
今の豊国神社から国立博物館に至る部分に巨大な大仏殿があり、今も石垣が残っています。大仏があった当時の方広寺の境内は現在の三十三間堂や、妙法院、智積院を含む広大なもので、江戸時代中期の寛政10年(1798年)に夕立の落雷で焼失するまで、奈良の東大寺に匹敵する巨大な寺院が京都にも存在していたのです。三十三間堂の南側にある「南大門」(国の重要文化財)は方広寺の大仏殿正面の門でした。
方広寺では精進料理を味わうこともできます。「季節の精進料理」(2,000円、要予約)または「精進うな重」(1,200円)があります。他にも座禅・写経(1,000円、要予約)も体験することができます。境内は無料で入場ができます。
七条通を渡ると三十三間堂

七条通を渡ると三十三間堂があります。三十三間堂の正式名称は「蓮華王院本堂」で、後白河天皇が長寛2年(1165年)に創建した天台宗の寺院で、みどころは千手観音像や1,001躯の千手観音立像です。三十三間堂は一時期豊臣秀吉が造営した方広寺の境内に存在しており、今も方広寺大仏殿建設の際に整備された築地塀(太閤塀、重要文化財)や方広寺の入り口である南大門を見ることができます。
三十三間堂内は有料(大人600円)で見学することができます。(午前9時 ~ 午後4時、年中無休)
「法住寺殿」があった場所「Hyatt Regency 京都」
三十三間堂の前から七条通を東に進むと「Hyatt Regency 京都」と塀が見えてきます。このエリアは平安時代の末期、後白河法皇の院御所である「法住寺殿」があった場所です。
東山七条交差点には「智積院」

東山七条交差点には、「智積院」があります。智積院は真言宗智山派総本山の寺院です。真言宗智山派総本山の寺院のみどころは「名勝庭園」です。名勝庭園は「利休好みの庭」と伝えられており、築山・泉水庭の先駆をなした貴重な遺産で「東山随一の庭」と言われるほど見事な庭園です。
智積院には多くの宝物(障壁画や古文書など)が所蔵されており、これらの中には国宝に指定されている物もあります。宝物の収蔵庫と名勝庭園は有料(午前9時~午後4時、大人500円)で見学することができます。智積院では写経・写仏、阿字観体験ができます。境内には「宿坊 智積院会館」があり、宿泊することもできます。
猿楽発祥の地「新熊野神社」
東山七条バス停から208系統(時計回り)に乗車して「泉涌寺道」バス停で下車すると、道路の東側に泉涌寺に至る参道があります。バス停から東大路通り沿いに北上すれば「新熊野神社」があります。新熊野神社は平安時代末期の永暦元年(1160年)に後白河法皇によって創建された神社です。名称に「新」が付いていますが、古代(平安時代)に建立されたたいへん古い神社です。
新熊野神社は「猿楽」(後の能楽)発祥の地として有名で、永和元年(1375年)に室町幕府の第3代将軍足利義満は、この今熊野神社で観阿弥と世阿弥による猿楽を鑑賞しました。観阿弥・世阿弥の芸に感銘を受けた足利義満は2人が属していた結崎座(観世座)を庇護し、猿楽は武家社会に受け入れられるようになりました。猿楽は江戸時代になると「能」として武士の式楽として扱われるようになりました。新熊野神社は無料で入場できます。
紅葉が美しい東福寺
「泉涌寺道」でバスに乗車すると、次の停留所が「東福寺」バス停です。バス停から南に進むと東福寺にアクセスできます。京都駅から東福寺に至るルート上には多くの観光スポットがあります。全てのスポットを1日で見ることができないので、訪問予定の場所を決めてから出発するようにしましょう。
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