毎年、春の訪れを知らせてくれる、日本古来の植物「桜」。3月中旬から4月下旬まで様々な種類の桜が咲き誇ります。特に夜のライトアップされた境内や川、疎水、植物園は幻想的であり、時に妖艶であり、不思議に神々の力を感じることができるでしょう。さまざまな場所で桜が鑑賞できますので、桜の開花時期に合わせて楽しんではいかがでしょうか。
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京都の夜桜名所30選

お昼にピクニックがてら花見もいいですが、夜の桜もまた、特別な時間を過ごすことができます。寺院で、精進料理をいただきながら、完全貸切の夜間鑑賞。舟や電車で、一味違う桜鑑賞。妖艶な雰囲気の石畳を練り歩いたり、城や塔を背景に、美しい京の都を思い出に色々な楽しみ方をご紹介します。
1.平安神宮 神苑

七五三、厄除け、結婚式など様々な行事で親しまれている平安神宮ですが、「京洛の春を代表するもの」と谷崎潤一郎の著書「粉雪」でも登場したヤエベニシダレザクラは、まさに絶景と呼ばれるほどです。
夜間の紅コンサートでは、水面に浮かぶ東神苑貴賓館と周りの桜が薄紅色にライトアップされ、尺八の音色に「実に雅である」と言ってしまいそうです。
ソメイヨシノより少し遅めの開花です。
2.京都府立植物園
大正時代から公園として親しまれてきた京都府立植物園は、3月中旬から4月下旬には約130品種、450本の桜が咲き誇ります。
メインはソメイヨシノ、八重枝垂桜で、寒桜、菊桜、糸くくりなど様々な桜が観られます。ライトアップされた道々を歩きながら家族、恋人、友人と歩いて回りたいものですね。
3.元離宮二条城

徳川家康が京都の宿泊施設として最初に建設し、大政奉還の舞台ともなった城ですが、世界遺産や重要文化財としても名高く、美しい日本庭園や障壁画が観られます。
3月下旬から4月中旬が見ごろで、ソメイヨシノ、山桜、枝垂桜、サトザクラなど約400本もの桜が観られます。ライトアップは18時から21時半で200本の桜を楽しめます。
4.清水寺

清水寺では、毎年3月上旬から4月上旬の18時〜21時に、夜の特別拝観が行われます。昼間でも趣のある境内や約1500本もの桜が、オレンジの明りでライトアップされ、ますます奥深さを感じさせてくれます。
境内から眺める桜は時代を遡り、タイムスリップしたような感覚にとらわれますよ。
幻想的な景観に魅了されること間違いなしです。
5.京都御苑
かつて宮家や公家の邸宅が立ち並んだ町、京都御苑は現在では公園となっていますが、旧公家屋敷跡や庭園などが残っており、約5万本の豊かな樹木が季節の移り変わりを教えてくれます。近衛邸跡のイトザクラ、出水の小川の周りにはサトザクラが観られます。
6.祇園新橋白川
どこまでも続く細い石畳と、両端に当時の家並みがそのまま保全されていて、朱色のお茶屋や柵、すだれなどと共に、ライトアップされた桜が妖艶な美しさを演出していて、幻想的です。小川にそって水面に映る桜を観ながら、時代に思いをはせ、散策してはいかがでしょうか。
7.仁和寺
世界遺産で有名な仁和寺は、金堂前では染井吉野、鐘楼前ではしだれ桜が観られます。おすすめなのは中門内の西側一帯の「御室桜(おむろざくら)」です。江戸時代から親しまれ、吉野の桜にも劣らないと和歌にも詠われています。遅咲きで背丈が低いので、ライトアップされた夜桜を、より身近に感じることができるでしょう。
8.円山公園
八坂神社、知恩院にの隣にある、国の名勝(景色が特によいとされている土地のこと)に指定されている円山公園。3月下旬から4月上旬に約680本もの桜が観られます。品種はシダレザクラ、ソメイヨシノ、ヤマザクラ、ヤエシダレザクラなど、ライトアップは午前1時までですので、遅くからでも楽しめそうですね。
9.高台寺
豊臣秀吉の妻・ねねが、秀吉没後、家康に協力を得て建立した寺です。春は桜、夏は竹林、秋は紅葉、冬は大晦日と年間をとおして季節ごとに夜間の特別拝観があります。
枝垂桜や、砂を波の模様に仕立て上げた「枯山水」の上に、紫や緑、オレンジの光でライトアップされた日本庭園はなんとも風情があり、美しいと心から感じるのではないでしょうか。
座禅や茶道の体験もありますので昼間に体験後、清らかな心で夜のライトアップを楽しむのもいいですね。
10.嵐山・中ノ島公園しだれ桜
保津川くだりでも有名な紅葉の名所、嵐山ですが、桜の名所でもあります。長い渡月橋の下を流れる大堰川、それより上流の保津川、下流を桂川と呼ばれていますが、その川沿いにたくさんの桜が咲き乱れ、川を覆いつくしています。
3月中旬から4月下旬に見られ、本数は約1500本、ソメイヨシノ、ヤマザクラ、ヤエザクラ、シダレザクラなどが咲きます。
渡月橋のそばに最も大きなシダレザクラがあります。こちらは夜間でも22時までライトアップされております。
11.宇治川
日本で最も古い橋と言われる宇治橋の下を流れる宇治川は、上流では川の流れを追いながら、2000本の桜を楽しむことができるんです。3月下旬から4月上旬が見ごろで、夜桜は、まるで絵画のような絶景を楽しむことができます。
12.平野神社
全国で唯一の皇太子御親祭が定められた神社です。身分を離れた皇族が繁栄を願い、桜を奉納した事で、珍しい桜が境内を覆っています。白色の「寝覚」、最も早く開花する「魁」、蝶が飛んでいるような大輪の「胡蝶」など十品種の珍種桜が見られます。
3月下旬から4月下旬に、拝殿にてギターやバイオリン、ハープ、クラリネット、フルートなどによる桜コンサートが行われます。桜を観ながら美しい音色に耳を傾け、境内を散策されてはいかがでしょうか。
また、嬉しいのが桜茶屋も出店しています。非毛氈(ひもうせん)と呼ばれる赤い敷物が敷かれた椅子に座って、夜桜を観ながらの一杯は格別なものになるでしょう。
13.嵐電北野線 桜のトンネル
歩いて桜の散策、夜桜で宴会もいいですが、電車の車窓から桜を堪能してみる「夜桜電車」はいかがでしょうか。ライトアップ中は低速運転、車内消灯です。一味違う桜鑑賞になっていいですね。
14.知恩院
知恩院は浄土宗をひろめた法然上人の遺跡に建てられた寺院です。徳川家康が京都の菩提所(先祖の位牌を納める場所)として拡大されました。
3月中旬から下旬にかけてライトアップされます。昭和の名庭「友禅苑」や「阿弥陀堂」が見どころです。ご先祖と一緒に桜を観ませんか。
15.瑠璃寺しだれ桜
瑠璃寺には、石垣から樹齢300年のしだれ桜が、地面に降り注ぐように美しく咲いている様子が見られます。満開時にはたくさんの見物客で賑わいます。夜のライトアップ、コンサート、キャンドルイルミネーションなどのイベントもあります。
16.円山公園
八坂神社、知恩院の隣に位置し、国の名勝(特に景色がよいとされている土地のこと)に指定されている円山公園。
3月下旬から4月上旬に満開になり、約680本のシダレザクラ、ソメイヨシノ、ヤマザクラ、ヤエシダレザクラなどが観られます。ライトアップは午前1時までですので、遅くまで仕事がある方でも、楽しめそうですね。
17.木屋町通り

木屋町、高瀬川沿いには、四条から五条までの1キロに及ぶ道のり、約200本のソメイヨシノが川を彩ります。夜間のライトアップは御池通から二条通でも行われます。飲食店でお食事を楽しみながら、夜桜を楽しむのもいいですね。
18.福知山城

本能寺の変で有名な明智光秀に建てられた福知山城。城周辺に約30本のソメイヨシノが咲き、夜間はライトアップされ、シンボリックです。国道9号走行中やJR福知山線の列車内からも眺められ、通勤帰りに眺めてもいいですね。
19.共楽公園
こちらの公園の桜は、「アロハ桜」と呼ばれています。ハワイの日系2世の軍人が、親の為に用意していた資金を、戦後の荒廃した町の復興を願い桜の苗木に変えました。転勤の為、自身で植えることが叶いませんでしたが、同僚や市民の手で植えられたそうですよ。
約450本の桜が鑑賞でき、さわやかなピンク色に染まる公園で、出店や花まつりを楽しみながらライトアップされた公園を散策してみてはいかがでしょうか。
20.山城総合運動公園

「太陽が丘」の愛称で知られている山城総合運動公園は、野球場、テニスコート、ファミリープールなど運動施設が充実しており、毎年100万人が利用する大きな公園です。
夜間のライトアップも開花時期の土日20時半までされており、5か所で見ることができます。
21.宇治市植物公園

宇治市植物園は10ヘクタールの巨大な敷地に約1,450種類、約3,200本の植物があり、春先には、円山公園のギオンシダレと血縁関係にあるシダレザクラが満開になります。
夜間のライトアップは無料開放で、約130本の桜が観られます。雲のように長く連なる桜を観ながら、春をめでるのもいいですね。
22.向日神社
向日神社は、稲作を勧めた向日神が由来の「向神社」が、火雷神が由来の「火雷神社」を併祭した神社です。
参道の両側から、折り重なるように咲く桜の長いトンネルを歩き、身を清めながら参拝してみてはいかがでしょうか。
23.圓徳院
高台寺の塔頭のひとつで、豊臣秀吉の正室、ねねが、晩年に過ごしたといわれる寺院。国の名勝で、重要文化財に指定されている墨画がある。
歩いてすぐの高台寺と同じく夜間も3月中旬からライトアップされています。秀吉とねねに思いをはせながら桜を鑑賞するのもいいですね。
24.青蓮院
創立した人物は、平安時代の天台宗の開祖「最澄」で、本尊は熾盛光如来です。本尊
は光そのもので、化身も炎の光を背負っていることから、光と関係が深いことで夜間のライトアップで特別拝観を行っているそうです。
ヒノキなどの植物や星などと共に桜を満喫できそうです。
25.将軍塚青龍殿
東山ドライブウェイの頂上の無料駐車場から北へ約100メートル行ったところに、将軍塚大日堂があります。将軍塚は直径20メートル、高さ2メートルの塚があり、唸りそうなほどの絶景です。京都市内を一望しながらの桜は格別ですね。
26.下木屋町さくらライトアップ
高瀬川沿いに桜が200本咲きます。夜のライトアップ(23時まで)では柳の木も雰囲気を演出しています。4月上旬にさくらまつりがあります。
27.東寺
弘法大使に「不二桜」とよばれた八重紅シダレザクラは、高さ13メートルあり、他にソメイヨシノが約150本咲きます。背景にライトアップされた五重塔を観ながら、京都の夜の思い出にいかがですか。
28.妙心寺退蔵院

お食事つきの特別拝観プランというものがあり、朝食は朝がゆに4品、昼食は松花堂弁当と隠れ茶屋の見学、夕食はミシュラン認定の精進料理と、完全貸切でライトアップ鑑賞会と他にみられない素敵なコースがあり、拝観でお値打ち価格で開催しています。
29.和らぎの道
丹波地方、七谷川では約1500本の桜並木が咲き、隣のさくら公園では28品種の桜も鑑賞できる。3月下旬から4月上旬に見ごろで、ライトアップは19時から22時です。周辺には出雲対神宮や丹波七福神めぐりの寺などの観光地もあります。
30.岡崎さくら回廊 十石舟めぐり

春になると岡崎疎水を覆うように美しい桜が咲き誇ります。十石舟遊覧は、京都市動物園から乗り場が出ていて、満開の時期になると15分ごとに運航しています。
主な種類はソメイヨシノ、山桜です。3月下旬から4月上旬まで運航しているので夜桜のデートスポットにもおすすめですね。
まとめ

京都ではお寺や神社、お茶屋など、風情を感じられるスポットが数多くあり、桜の季節になると、様々に趣向をこらされた桜鑑賞ができるんですね。
卒業や入学シーズンと重なり、桜をみると、切なさや、ときめきを感じる方もいるんじゃないでしょうか。それもまた、日本らしい美しさを感じられていいですね。今年も素敵な桜めぐりができるといいですね。
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