
京都市内にある神社仏閣の近くには必ずと言っていいほど老舗の料亭があります。この理由は、お金持ちではない普通の家庭であっても法事やその他の仏事、慶事などの特別なイベントの際に、高級店で食事会を行う習慣があるからです。
そのため、老舗料亭でミシュランガイドで2ツ星や3ツ星が付けられたような高級店であっても、普通の人が利用できる程度の料金(1人あたり1万5千円前後)が設定されているようなお店もたくさんあるのです。そのため京都では「料亭」ではなく「料理屋」と呼ばれています。
本記事ではいつか絶対にいきたい京都の料亭厳選8店をご紹介していきます。京都旅行を検討されている方は、是非チェックしてみてください。
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目次
京都の高級料亭に関する基礎知識
高級料亭では、熱い料理は熱いままで、冷たい料理は冷たいままで客に出すことを基本としています。そのために仲居さんが客の食事ペースを厨房に伝え、適切なタイミングで客に料理が出せるように調理が行われています。
最高の状態で客に料理を出すために、厨房では多大な労力が払われています。お客も店の亭主の気持ちに応えるために、料理が出されたら会話は程々にして熱いものは冷めないうちに、冷たいものは暖まらないうちに頂くのがマナーです。
京都を代表する高級料亭「菊乃井」

東山区にある高台寺や八坂神社の近くにある「菊乃井」は大正時代に創業した懐石料理を出すお店で、「ミシュランガイド関西2015」で3ツ星評価を獲得した名店です。
本店は東山にある高台寺の隣(山手)に位置する高台にあり、980坪の市街を一望できる場所で、落ち着いた雰囲気で食事を楽しむことができます。
東山の一等地にある有名なお店で、お昼の弁当は「時雨めし弁当」(4,000円)、「時雨めし弁当(お造り付)」(5,200円)で、お昼の懐石料理(8,000~)もあります。夜の会席料理は15,000円、18,000円、20,000円、25,000円、30,000円があります。
「菊乃井」はテレビや雑誌などで取り上げられるほどの高級店ですが、お昼で4,000円、夜の会席料理でも15,000円と低めに設定されている理由は、“普通の人が特別な時にちょっとした贅沢を楽しむことができる”ためです。
ちなみに「菊乃井」の三代目主人である村田吉弘氏は「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されるために尽力した人のひとりで、2012年に「現代の名工」として厚生労働大臣の表彰を受けています。
肉懐石が有名な京都の料亭「京洛肉料理 いっしん」
「京洛肉料理 いっしん」は、石畳が敷かれた道路や街並みが美しい東山区祇園巽橋のすぐ近く(新橋通沿い)で、美味しい近江牛の肉懐石が食べられるお店で、ミシュランガイドで2ツ星の評価を獲得したお店です。
京都に進出する前は滋賀県守山市で近江牛の肉懐石料理店として営業していましたが、今世紀に入ってから祇園に進出しました。京都での歴史は浅いのですが、「肉そうめん」など守山でお店を開いていた時代に評判の高かったメニューが祇園でもそのまま引き継がれて、とても人気のある名店です。
「いっしん」では最高級の近江牛を使った懐石料理が頂けますが、生のお肉でも臭みが全く無く、脂の乗った柔らかいトロを食べているような食感です。お昼は「昼会席」(税別6,000円)、夜は「近江牛おまかせ会席」(税別12,000円前後)で、夕食でお酒を入れても1万5千円~2万円に収まります。
「いっしん」は老舗ではなく、特に「お馴染みさん」や「誰かの紹介」などは必要ありません。敷居が低く、初めての人でも気軽に立ち寄ることができるお店です。
京都の老舗料亭「京都吉兆嵐山本店」
嵐山にある渡月橋北側の桂川を一望できる場所に「京都吉兆嵐山本店」があり、こちらはミシュランガイドで3ツ星の評価を獲得したお店です。
吉兆の創業者である湯木貞一は料理業者として史上初めて文化功労者となった人で、「松花堂弁当」を考案した人でもあります。吉兆の料理は茶懐石を基本とした懐石料理で、お昼のコースは43,200円、夜のコースは48,600円または5,4000円です
桜宿膳料理で有名な「桜宿膳料理 錦」
吉兆は敷居が高すぎると感じる人であれば、対岸の「嵯峨中の島」にある「桜宿膳料理 錦」がおすすめです。桜宿膳とは二段になった塗りの箱膳のことで、この中に雅趣に富んだ月替りの献立が盛り込まれます。
華やかで芸術作品のような桜宿膳料理を頂くことができます。京都で本格的な「桜宿膳料理」が頂けるお店は「錦」だけです。
お店は数寄屋造りの趣のある建物で、献立は京野菜や豆腐を用いた懐石風の料理が中心で、全体的に上品な薄い味付けで、素材の持つ風味や味が感じられる料理を頂くことができます。
季節ごとに四季折々の食材が用いられ、リピーターが多いお店です。お昼は6千円前後、夜は1万円~2万円と手軽な値段で贅沢な気分を味わうことができます
伏見エリアの老舗料亭「魚三楼」
伏見にある「魚三楼」は江戸時代に創業した老舗料亭で、ミシュラン2ツ星の評価を獲得したお店です。江戸時代には名藩の大名屋敷の料理方などを務めたお店です。
明治維新の際に起こった鳥羽伏見の戦いでお店の前の道が戦場となり、薩摩藩軍が発砲した弾丸の跡が今でもお店に残っています。
「魚三楼」のメニューですが、夜の懐石コースは1万円~3万円で、昼のお弁当は3千円または5千円とお手頃な値段設定です。
祇園エリアを代表する「三芳」
「三芳」は京都の料亭の中でも肉料理のジャンルで大きな人気と支持を得ている高級肉割烹店です。
シャトーブリアンや生うに、トリュフやキャビアなど、高級食材がふんだんに使われるコースは、人生で一度は食べてみたい絶品のグルメです。
コース料理の料金は1万5千円からと高めの値段設定ではありますが、筆舌に尽くしがたい美味しさの料理は、金額に見合うものであると思います。
京都の料亭でお肉や高級食材を堪能したいとお考えの方は、是非三芳で食事をしてみてください。
和久傳グループの名店「高台寺和久傳」
「高台寺和久傳」は京都の高台寺近くに店を構えている和久傳グループのお店です。京都を代表する高級料亭であり、料理を堪能する個室の部屋も、和の歴史を感じさせてくれる雰囲気をもっています。
コースによっては、部屋にある囲炉裏で目の前で食材を焼いてくれたりと、まさに最高の食材を最高の調理、タイミングで食すことのできる高級料亭ならではの食事を楽しむことができます。
予約で一年以上待つ「未在」
未在は東山区にあるミシュラン3つ星の高級料亭です。世界中からVIPなグルメが集まる有名店でもあります。
予約は一年以上待つともいわれてはいますが、高級料亭ならではのカウンターが並ぶ店内に、いつか座ってみたいものですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?京都の料亭で食事をすると、その絶品の料理に舌鼓を打つだけでなく、日本の歴史や和とは、というものに対して考えを想起するきっかけとなることがあります。
かつて日本の政の中心であった京都は日本の歴史を感じさせてくれます。京都に訪れた際には、是非一度京都の料亭に足を運び、日本を感じながら食事を堪能してみてください。
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