京都の町は、10分歩けば社寺仏閣にぶつかると言われています。実際、街中であれ山際であれ、地図を片手に散策しているとすぐにそれらしき門構えを見ることができます。
それほどたくさんのお寺、神社があるのですが、それぞれに物語があり、由来があり、四季ごとの表情があります。それぞれのお寺が持っている由来、伝説、庭園の花や紅葉……京都に住み、どれだけ社寺を巡り歩いても、いつまでも飽きるということがありません。
そんな、数多くのお寺から、特におすすめのお寺を紹介させていただきます。
スポンサードリンク
寂光院

「京都~大原 三千院♪」1966年に発売された『女ひとり』という歌で一躍有名になったのが、大原という土地。京都市中心街からほど遠く、京都駅からはバスで1時間もかかる場所にあります。そんなに都会から離れた土地に寂光院が建てられたのは、奈良時代。
聖徳太子が父を弔うために創建したと言われますが、このお寺が人々に知られるようになったのは平安末期の頃です。源平合戦で敗北し、家族全てを失い、自殺しようとして助けられてしまったお姫様・健礼門院平徳子(清盛の娘・天皇の女御)が、都とのかかわりを嫌ってこの地にやってきたのでした。
時の権力者の娘として生まれ、天皇に嫁し、国母とまで上り詰めた女性が、こんなにも都から離れた土地でさみしく余生を過ごすことになった彼女の物語は、『平家物語』の中でも特に諸行無常を感じさせてくれます。

ご本尊 | 地蔵菩薩さま | |
宗派 | 天台宗 | |
創建 | 推古天皇2年(594年) | |
開門時間 | 9:00~17:00 12月~2月 9:00~16:30 正月 10:00~16:00 | |
拝観料 | 大人600円 中学生350円 小学生100円 | |
住所 | 〒601-1248 京都市左京区大原草生町676 | |
電話番号 | 075-744-3341 | |
アクセス | 京都駅から: | 京都バス17、「大原」下車 徒歩15分 |
京阪出町柳駅から: | 京都バス10、16、17、「大原」下車 徒歩15分 | |
駐車場 | なし(近隣に民間駐車場多数) | |
WEBサイト | 京都大原 寂光院 |
祇王寺
こちらも、先に挙げた寂光院と同じく、『平家物語』に登場する女性のお寺です。

権力者であった平清盛に愛されていた白拍子・祇王。ある日二人の元へ、若い白拍子・仏御前が訪ねてきて、舞を見てほしいと頼みます。一度は断った清盛ですが、せっかくなので見てあげたらと祇王に言われたので舞を鑑賞し、その結果、清盛の愛情は祇王から仏御前へ移ってしまうのです。
棄てられた祇王の心はいかばかりか、母や妹を連れて嵯峨野の地で出家してしまうのです。その後、祇王の姿に自分の将来を感じた仏御前も、彼女の元へ訪れてともに尼となりました。このお寺には、男性社会の中で振り回されつつも、己の芯を貫いて生きた女性たちの物語が眠っているのです。
祇王寺が有名なのは、平家物語にゆかりというだけではありません。小さなお寺ながら、嵯峨野の竹林に囲まれ、庭は春には花びらが降り積もり、秋には紅葉が敷き詰められます。本堂の丸窓「吉野窓」からは、上も下も桜色や紅葉色に染まった世界が堪能できるのです。

ご本尊 | 大日如来さま | |
宗派 | 真言宗 | |
開門時間 | 9:00~16:30 | |
拝観料 | 300円 | |
住所 | 〒616-8435 京都市右京区嵯峨鳥居本小坂32 | |
電話番号 | 075-861-3574 | |
アクセス | 京都駅から: | 嵯峨野線 嵯峨嵐山駅下車 徒歩20分 |
四条・三条から: | 市バス11、「佐賀小学校前」下車、徒歩17分 | |
駐車場 | なし | |
WEBサイト | 祇王寺公式サイト |
本能寺

敵は、本能寺にあり。日本史が好きなら、その台詞を聞くだけで血が騒ぐのではないでしょうか。天下統一を目前にした織田信長が、明智光秀の夜襲によって命を落とした「本能寺の変」は、それほどに有名ですね。けれど、その知名度の割に、今も市中に本能寺があることは、あまり知られていないのではないでしょうか。
現在の本能寺は、三条通りと御池通りに挟まれています。寺町と河原町に入口があるという、京都の中でも有数の繁華街の中にありながら、商業ビルに囲まれているせいか、観光客はそれほど多くありません。のんびりとした公園のような雰囲気で、一見すると、本能寺の変や蛤御門の変を経てきたと思えないほど。 広い本堂ではお坊様のお話をお聴きできるほか、信長や家臣の墓地があり、大賓殿宝物館には信長が持っていたといわれる茶道具や書簡などが展示されています。

また、法華宗本門流の大本山にあたり、仏・法・僧の三宝を祀るための三宝尊をご本尊とするほか、日蓮上人の像が寺町側の入り口に佇んでおられます。
ご本尊 | 三宝尊 | |
宗派 | 法華宗 | |
創建 | 応永22年(1415年) | |
開門時間 | 6:00~17:00(宝物館9:00~16:30) | |
拝観料 | 無料(宝物館500円・中高生300円、小学生250円 ご朱印をいただいた方は割引あり。 | |
住所 | 〒604-8091京都市中京区寺町通御池下ル下本能寺前町522 | |
電話番号 | 075-231-5335 | |
アクセス | 京都駅から: | 市バス4、5、17、104、205、「河原町三条」バス停下車 徒歩すぐ |
四条・三条から: | 河原町四条から 徒歩10分 京阪「三条」駅下車 徒歩5分 | |
駐車場 | 20台(200円/30分) | |
ご朱印 |
![]() |
|
WEBサイト | 法華宗大本山 本能寺 |
古都のお寺はドラマを秘めて
京都のお寺の中でも、ことに歴史的人物とかかわりのあるお寺を紹介させていただきました。
史書に載っている人々の息吹に触れることができるのも、また、古都京都の魅力の一つ。ひと時、彼らの声に耳を傾けて、時の流れや命の物語を感じてみてくださいね。
スポンサーリンク