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ロマンスが漂う金色夜叉の概要と熱海との関係

テレビやアニメなどでよく使われる「貫一お宮の像」についてご存知の方は多いのではないでしょうか。この像は熱海市東海岸町の国道135号下り車線沿いにあります。

平成17年8月初旬から夜には像のライトアップもされていますので、日中とはまた違った雰囲気を感じることができます。

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お宮と貫一は金色夜叉の登場人物

お宮と貫一は尾崎紅葉が書いた明治時代を代表する小説「金色夜叉」に登場する人物達です。1897年に初登場し、1902年まで新聞に連載されていました。前編、中編、後編、続、続続、新続と全部で6編から成っており、まだ完成していないうちに作者である尾崎が亡くなったため、未完成のままとなっています。

門下生であった小栗風葉が1909年に終編金色夜叉を書き継いでいます。昭和に入ってからはドラマや映画などにされるようになったため、知っている人も一気に増えました。この小説のもととなったのはバーサ・M・クレー作の「女より弱きもの」だということがわかっています。

1940年頃には尾崎の創作メモの一部が見つかりましたが、その時に貫一が高利貸しによって貯めたお金を義のために使い切るということ、そしてお宮が富山に嫁いだのには理由があってのことだったという構想の一部が明らかにされています。

金色夜叉のストーリー

では像にもなっている貫一とお宮とは何者なのかということですが、貫一は学生でお宮と婚約していました。しかし結婚間近となったある日、お宮が富豪である富山唯継のもとへと嫁に行ってしまいます。そして、それに激怒した貫一は熱海でお宮と会い、問い詰めましたが、お宮は理由を話そうとはしませんでした。

そこで貫一は去ろうとしますが、お宮が追いかけてきたので彼女を怒りのまま下駄で蹴り飛ばしたのです。それがこの像のシーンです。像の横には「金色夜叉と熱海」という解説板があります。この解説版には小説のあらすじや「金色夜叉の歌」の歌詞の一節がのせられています。

熱海駅前のお宮と貫一の看板

熱海駅前にある名店街にはこの2人の顔ハメ看板があり、記念に写真を撮ることができるようになっています。また像の近くにはお宮の松という松がありますが、こちらはこの像のシーンの舞台になった場所だといわれています。

現在ある松は2代目で、かつて初代は道路中央にありました。羽衣の松と呼ばれていましたが、1919年に尾崎の弟子である小栗風葉がこの小説の句碑を建立したことから「お宮の松」と呼ばれるようになりました。

自動車が普及するようになると排気ガスなどの影響で初代松が衰えてきたために伐採され、1966年に地元のホテルの寄贈があり、2代目の松が現在の場所に植えられました。土壌改良や排水工事などが行われ、それが完了して現状の姿になったのは平成13年3月頃のことでした。

伐採された初代の松の切り株は文化会館のに展示されています。アクセスは熱海駅から徒歩で15分もしくは熱海港方面行きのバスで約5分ほどで到着できます。この小説の碑も建てられていますが、この碑には碑文が刻まれていて、「宮に似たうしろ姿や春の月」という貫一のお宮への未練を感じさせるような句があります。

この句を詠んだのは弟子の小栗でした。確かに石そのものも可憐な女の後姿のようにも見えると川端康成は評しています。

金色夜叉と熱海

なぜ、この2人の別れのシーンが熱海が舞台になったのかということは非常に興味深いですが、実はこの舞台の場所については尾崎の友人である児童文学者の巖谷小波の経験がモデルとなっています。

巖谷にはかつて芝の高級料亭で働いていた須磨という恋人がいたのです。しかし巖谷が京都の新聞社に2年間赴任している間になんと富山唯継のモデルになった大橋新太郎という別の出版社の社員に横取りされてしまったのです。

巖谷自身はもともと結婚などをするつもりがなかったのでそれほど気にしていなかったのですが、怒ったのは友人であった尾崎でした。怒り心頭になった尾崎は須磨の勤務先である料亭へ乗り込み、須磨を足蹴にしました。あのシーンはこの出来事がモデルになっているとされています。

ちなみに、この須磨という女性はとある旅館の若主人が放浪の旅の途中で作った子供で、舞踊などを得意とする美人だったといわれています。そして大橋と結婚した後は8人の子宝に恵まれています。

お宮と貫一像周辺の楽しみ方

像があるお宮緑地にはペルー原産の木であるジャカランダの木が街路樹として使われています。ブルーや白色の花が大量に咲く様は非常に美しく、見応えがあります。

このジャカランダに関しては平成2年にポルトガルのカスカイス市と国際姉妹都市提携を結んだことを記念して植樹されています。また夏にはそばにあるサンビーチに多くの人々が訪れます。

お宮と貫一の像を見た帰りにはビーチをのんびり歩いてみたり、泳いだりしてリフレッシュするのも良いでしょう。像の前でまねをして友達同士やカップルで写真撮影をするのも良い思い出になりますので、挑戦してみるのもいいのではないでしょうか。


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