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喧噪から外れ佇む京都「法然院」の魅力と観光の見所、歴史、アクセス方法

京都の法然院は美しい秋の紅葉の名所の一つだけでなく、法然院サンガの理念をもとに多くのアーティストの方のコンサート会場として提供されてきており、人と人を結ぶ社会的役割を担っているお寺でもあります。

本記事では京都法然院の歴史や観光の見所、アクセス方法についてご紹介していきます。法然院への観光を計画されている方は、是非本記事をご覧になって頂き、事前知識を収集して頂ければと思います。

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法然院の歴史

法然院は鎌倉時代初期に浄土宗の祖である法然上人が、弟子の安楽・住蓮と共に六時礼賛(昼夜6度にわたる阿弥陀仏の礼拝・賛美)を勤めるために建てた草庵で、長い間荒廃していた歴史があります。

この草庵が再興されて寺院となったのは江戸時代になってからで、それまで法然院には悲しい歴史があります。

鎌倉時代の法然院

鎌倉時代に天皇や貴族に支持された仏教は大乗仏教です。そのため、新しく興った浄土仏教は異端扱いにされ、在来勢力による反対運動が起こっていました。

浄土宗に対する反対勢力は、時の権力者である後鳥羽上皇にも法然の提唱する専修念仏を停止させるように働きかけていました。ちょうどその頃(承元元年、西暦1207年)、後鳥羽上皇が熊野詣に出かけて留守の間に、上皇の女官であった松虫姫・鈴虫姫が法然の弟子であった住蓮らがこの草庵で開いていた念仏法会(浄土宗の勉強会)に参加しました。

法然の教えに感化を受けた女官たちは住蓮房・安楽房の元に出家してしまいました。ところがこの事をきっかけに女房たちは遵西・住蓮らと密通したとの噂が流れ、熊野詣から戻って事の顛末を知らされた後鳥羽上皇の逆鱗に触れてしまいました。

この結果、法然の弟子であった安楽・住蓮は打ち首の刑に処され、75歳の法然は讃岐への流罪の刑に処されました(承元の法難)。さらに法然の弟子であった親鸞を含めて7名の弟子を流罪に処されてしまいました。

さらに法然や親鸞の僧籍がはく奪され、法然の専修念仏が禁止され、法然と親鸞が存命中に再開することはありませんでした。法然やその弟子たちが流罪に処されて主を失った草庵は荒廃しました。

法然院の再興

草庵が再び興されたのは江戸時代初期の延宝8年(1608年)で、知恩院第38世の萬無和尚が法然ゆかりの地に念仏道場を建立することを計画し、その弟子の忍澂上人によって再興されたものが現在の「法然院」です。

中興の祖である萬無和尚にちなんで別名「萬無教寺」とも呼ばれています。

法然院の観光のみどころ

趣のある法然院の境内

法然院の境内のみどころは、寂れた雰囲気の庭園や山門の屋根に生えた苔です。雨上がりの早朝に訪れると、苔の生えた落ち着いた雰囲気を感じることができます。

屋根に苔が生えている茅葺きの山門をくぐると両側に白い盛り砂(白砂檀:びゃくさだん)があり、これは水を表わしています。砂の上には水を表現した紋様が描かれていて、参拝者は砂盛の間を通ることで心身を清めるという目的があります。

砂の上に描かれた模様はその時々によって違い、季節に合わせて桜の花弁やイチョウの葉、楓の落ち葉などが描かれることがあります。訪問した際には砂の上の模様を注意して見るようにしましょう。

貴重な法然院の本堂

さらに奥に進むと本堂が見えてきます。本堂の中には恵心僧都作の阿弥陀如来像と法然上人の木像が安置されています。右に進むと湧水「善気水」があり、京都の名水として有名な水です。他にも奥の方には通常非公開の方丈と方丈庭園、谷崎潤一郎や経済学の河上肇、東洋史学の内藤虎次郎、考古学の浜田耕作など学者・文人の墓があります。
本堂や方丈など通常非公開の場所については、毎年「春季 伽藍内特別公開」(4月1日~4月7日)と、「秋季 伽藍内特別公開」(11月1日~7日)の際に有料で参観することができます。特別公開では参拝客に「善気水」で淹れたお茶が振舞われます。

苔の庭園を見たいなら法然院

境内の庭園や山門には苔が生えていて、静かで寂れた雰囲気を醸し出しています。樹木の根元の方にはまるで“苔の絨毯”が敷かれたように緑色の苔で覆われています。法然院は京都でも数少ない「苔の庭園」が見られる場所なのです。

他に苔庭が見られる有名な観光スポットには「西芳寺(苔寺)」「東福寺」「銀閣寺」「高台寺」「三千院」などがありますが、いずれも拝観料が必要で、いつも多くの観光客で混雑しているので庭園をゆっくり眺めることができません。

法然院の紅葉

秋になると真っ赤に染まったモミジが緑色の苔によって美しく映える風景を眺めることができます。
シーズンは11月中旬から12月中旬頃で、住宅街が近いためか夜間ライトアップなどはありませんが、風情のある京都の紅葉を堪能することができます。

また、周辺にも哲学の道や銀閣寺、安楽寺など、紅葉の名所が多くありますので、法然院を中心に京都の紅葉狩りに出かけてみてもよいかもしれません。

法然院の魅力

法然院は哲学の道の途上にあり、多くの文化人や知識人がこの場所を好んで訪れています。当院の先代管主である故橋本峰雄氏(1924年-1984年)も哲学者でした。

橋本峰雄氏は京都大学文学部哲学科へ進学しましたが、その時同級生の梅原猛と藤沢令夫(哲学者)と親友でした。大学卒業後に仏門に入り、西洋哲学を学ぶ異色の学者として知られています。その後神戸大学文学部教授として哲学・倫理学専攻を担当しました。

すぐ近くにある銀閣寺や哲学の道・南禅寺には多くの外国人観光客が訪問して外国語が飛び交い、日本であることを忘れてしまうほどです。これに対して当院には特に豪華で華やかな建物があるわけでもなく、訪問客が少ない苔の生えた寂しいお寺です。それでもこの静かで簡素な雰囲気は、多くの文化人や学者を惹きつける魅力を持つのです。

法然院へのアクセス方法

法然院へのアクセス方法ですが、市バス「銀閣寺」バス停で下車して「哲学の道」を南に向かって10ぐらい歩いた場所にあります。

周辺の観光スポットは哲学の道、銀閣寺や京都大学があります。時間があれば、かつて多くの文化人・知識人が学んだ京都大学吉田キャンパスも訪れてみることをおすすめします。

まとめ

いかがでしたでしょうか?京都の法然院には退廃と再興の歴史があり、歴史を事前知識として吸収してから観光に訪れると、悠久に感じる時間の流れや諸行無常、情けなど色々な感情を思い起こさせてくれる良い観光をすることができるでしょう。

周辺には哲学の道や銀閣寺など、国内外から多くの観光客があつまる人気観光スポットがありますが、法然院は賑やかさから少し外れ、飾り気なく存在しています。

喧噪からはずれ、美しい苔の庭園を見ながら、京都や日本の歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?


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