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バチカン美術館の魅力と観光の見どころ

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500年以上の歴史を持つバチカン美術館はヨーロッパのバチカン市国にあるサン・ピエトロ大聖堂の北部に隣接した古い建物から新しい建物まで新旧さまざまな美術館の集まりで、グレゴリア美術館・エジプト美術館・エトルリア美術館・絵画館・馬車博物館・キアラモンティ美術館・バチカン図書館・ギリシア彫刻の間・地図のギャラリー・システィーナ礼拝堂・ラファエロの間など、多くの美術館や博物館、ギャラリーなどが集まった複合的な美術館です。

公式な館名は『教皇の記念物・博物館・ギャラリー』と言い、これらの施設はバチカン宮殿の大部分を占めていて世界最大級の巨大な美術館と言えます。

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歴代ローマ教皇の収集品を収蔵展示

バチカン美術館の起源は1503年のユリウス2世の時代にまでさかのぼります。教皇となったユリウス2世は自ら収集した彫刻をバチカン宮殿内の中庭に飾ってコレクションしていました。それから歴代のローマ教皇は美術品の収集を行い美術館を増設させていき現代のバチカン美術館にまで拡大してきたのです。それぞれの美術館、博物館には各年代の歴代のローマ教皇の収集品が収蔵・展示されていて見ごたえのある内容となっています。

二重らせん階段

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バチカン美術館の名所というとこのらせん階段です。観光のコースでは出口として下りますが、このらせん階段は二重構造で上りと下りが一体化した造りとなっていて、その美しい造形美は見る者を驚かせてくれます。手すりの側面に施された彫刻も見事で、階段そのものが一つの芸術品と言えるでしょう。階段をデザインしたのはジュゼッペ・モーモでバチカン市国の公共施設も多く手掛けています。

事前予約がおすすめ

人気の美術館なので繁忙期の6月から9月辺りで見学に行こうと計画している方は当日券で入ろうとするとかなりの行列待ちを強いられるので、事前に予約して行くことをおすすめします。バチカン美術館の公式サイトからも予約ができますが、サイトはイタリア語や英語表記なので日本の旅行会社から現地観光ツアーを予約しておけば簡単で安心です。

ちなみに美術館の開館日は月~土曜日で開館時間は9:00~18:00(最終入場16:00)となっています。期間限定で夜間の見学もあり5~10月の毎週金曜(8月は除く)は19:00~23:00(最終入場21:30)も開館しています。
料金は大人16ユーロ、子供(6~18歳)8ユーロとなっています。

バチカン美術館公式サイト
JTBバチカン博物館午前観光ツアー
H.I.S.ローマ市内観光&ヴァチカン博物館観光

絵画館(ピナコテカ)

絵画館にはラファエロ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、カラバッジョなど名立中世からルネサンス期にかけての画家の作品が展示されています。名立たる画家たちの作品は一見の価値があります。

ピエタ像

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十字架から降ろされたキリストを抱く聖母マリアの像で天才と称された芸術家ミケランジェロによって作成されました。人の手で彫られたとは思えないほどの完成度に息をのみます。見る人の心を掴むピエタ像はそのあまりの美しさに聖母マリアの指が折られたほどです。絵画館に展示されているのは精巧に造られたレプリカで本物はサン・ピエトロ大聖堂に収められています。サン・ピエトロ大聖堂では手前にガラスがはめてあり近くで見る事はできません。レプリカといえど素晴らしい出来に変わりはありませんからぜひ見ておきたいですね。

キリストの変容

キリストの変容とは聖書に書かれている出来事で、キリストがペトロ、ヨハネ、ヤコブといった弟子を連れて山に入り預言者モーセらとともに語り合いながら白く光り輝く姿を弟子たちに見せたといいます。ラファエロによって描かれたキリストの変容はラファエロの最高傑作とも言われ、死の間際に完成させたことから彼の遺書であるとの例えもされます。

聖母の載冠

こちらもラファエロの作品で聖母マリアが人生を終えたのちに天へと上りキリストからの戴冠を受け祝福されている様子を描いた絵画です。頭上には天使が舞い地上では使徒トマスへの聖帯の授与が描かれています。

フォリーニョの聖母

フォリーニョの聖母もラファエロの作品でシジスモンド・デ・コンティがフォリーニョという町に滞在したときの奇跡に感謝しラファエロに依頼して描かせた作品です。もともとフォリーニョに寄進されていたこの作品はある時ナポレオン軍によって持ち去られてしまいます。その後イタリアに戻された絵画はローマ教皇ピオ七世によって買い取られバチカンへとやってきました。

聖ヒエロニムス

レオナルド・ダ・ヴィンチによって描かれた聖ヒエロニムスで、この作品は未完の作品ですがとても貴重な一枚です。ヒエロムニスとは聖書のラテン語訳をした翻訳家として有名で四大ラテン教父の一人でもあります。神学の研究に生涯を捧げ、描かれた絵画は砂漠で隠居生活を送りながらヘブライ語を学んでいたころのヒエロニムスでしょうか。傍らにはヒエロニムスが助けたとされるライオンが描かれています。

聖ヘレナ

パオロ・ヴェロネーゼによって描かれた作品で聖ヘレナとはコンスタンティヌス帝の母であり熱心なキリスト信者でキリストの張り付けられた十字架を発見したと伝えられていて、思い悩むように目を閉じる聖ヘレナとともに十字架が傍らに描かれています。

エデンの庭のアダムとイヴ

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エデンの庭でアダムとイブが禁断の果実であるリンゴの実を盗んでかじったことで羞恥心を持ち、神にエデンの園を追放されてしまったという有名な聖書の一説を絵画で描いています。この絵はウェンゼル・ペーター作のアダムとイブです。柔らかいタッチの絵で優しい気持ちになれます。

ピーニャの中庭

ピーニャとは松ぼっくりのことで、その名の通りバチカン美術館に囲まれるようにある中庭には松ぼっくりのオブジェが飾られています。

ブロンズ製の松ぼっくり

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中庭の名前にもなっている巨大な松ぼっくりはブロンズ製で1世紀から2世紀ごろに噴水として使われていたもので、色々な場所を転々として今はこの中庭に飾られています。この場所はツアーガイドが入館前の説明を行う場所でガイドと見学者の一団によく出会うでしょう。

ブロンズ製の二羽の孔雀

ハドリアヌス帝の建築したサン・タンジェロ城にあったもので中庭にはレプリカが飾られています。ブロンズ製の松ぼっくりもこの二羽の孔雀もそれぞれ別の場所から移設されて中庭に設置されていますが、見事なまでの調和を見せていてまるでここに飾られるために造られたのではないかと思えるほどです。

球体の中の球体

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中庭の中央部には球体の中に小さな球体が入っているようなデザインの作品が置かれています。これはアルナルド・ポモドーロの作品でバチカン美術館のために制作されました。『球体をもつ球体(Sfera con sfera)』という題がついていて少しづつ回転しています。この球体は写真で見るよりも実際はとても大きくサン・ピエトロ大聖堂のクーポラの先端についている球体と同じ大きさなのだそうです。

アウグストゥスの巨大な頭部

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アウグストゥスはローマ帝国の初代皇帝です。かつては全身の全身像だったものの頭部だけが発見され飾られていますが、かなりの大きさに驚くことでしょう。このサイズで頭部だけなのですから全身像はどれだけ大きかったことでしょうか。権力をうかがい知ることができますね。

ピオ・クレメンティーノ美術館

ピオとは教皇ピオ6世、クレメンティーノとはクレメンス14世の名から取った美術館で古代ギリシャやローマ時代の彫刻が展示されています。

八角形の中庭

ピオ・クレメンティーノ美術館内にある中庭は八角形をしていて有名な彫刻が飾られています。

ベルヴェデーレのアポロ

均整のとれた美しさは美術史の父と呼ばれるヨハン・ヨアヒム・ヴィンケルマンによって古代の美術作品の中で最も理想な作品だと言われたほどで

ヘルメス

ヘルメスとはギリシア神話のオリンポス十二神の一人で、古代ギリシャ時代に造られたブロンズ像を模して造られた彫刻です。アポロと同じく人体の理想的な美しさを持つ彫刻として有名です。

ペルセウス

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ペルセウスとはギリシャ神話の英雄でこの彫刻が左手に持っているのは見たものを石に変えるという蛇の髪をした怪物メデューサの首です。この彫刻はアントニオ・カノーヴァによって造られたものでナポレオンによって奪われた彫刻類の代わりに展示されているという曰く付きの彫刻です。

ラオコーン

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古代ローマ彫刻の傑作であるラオコーン像はアポロの神官ラオコーンとその息子二人が二匹の大きな蛇に絞殺されるシーンを彫刻にした作品で、その苦し気な表情や筋肉の動きなど迫力ある彫刻には目を見張ります。

ミューズの間

ミューズの間の天井には女神が描かれており空の青色が美しく、まるで天に突き抜けているかのような演出のされた壁画が描かれているホールです。

ベルヴェデーレのトルソ

ミューズの間に飾られている中で有名なのがベルヴェデーレのトルソという彫刻で名立たる画家たちに絶賛されたという素晴らしい彫刻です。残念ながら頭部や手足が欠け落ちていて胴体しかありませんが躍動的な筋肉からはこの彫刻の素晴らしさを垣間見ることができます。

円形の間

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古代ローマの神殿パンテオンを意識したようなデザインの天井をした円形の間には神話の神や歴代の皇帝たちの像が立ち並びます。

ヘラクレス

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円形の間でひと際目立つのは金色をしたヘラクレスの銅像です。ヘラクレスとはギリシャ神話に登場する英雄でペルセウスの子孫である母アルクメネーとゼウスとの間に生まれ、その数奇な人生と剛腕の持ち主として有名です。

ギリシャ十字の間

ギリシャ十字の間はまさに十字の形をしているホールです。

二体の棺

コンスタンティヌス大帝の娘、コンスタンティアと帝の母親、聖ヘレナの棺が左右に置かれています。二つの棺とも赤い紫斑岩で造られていて側面や蓋には彫刻が施されています。棺を支える台座には狼や獅子などの猛獣が彫られまるで棺を守っているかのようです。

床のモザイク画

十字の間では美しい床のモザイク画を見ることができます。中央に女神アテネが描かれており、モザイク画は柵で中に入れないように囲まれているので人の脚が邪魔になることもなく見学することが可能です。

バチカン図書館

バチカン図書館は15世紀の半ばにローマ教皇ニコラウス5世によって設立されてました。この図書館には110万冊もの蔵書や文章が保管されているほか、歴史的にも美術的にも価値の高い装飾写本が収められています。中には2500年以上もの歴史のある蔵書も収められており、世界最古の図書館の一つと言えます。

地図のギャラリー

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地図のギャラリーにはイタリア各地の地形図が展示されています。丸天井にはスタッコ装飾された豪華な天井画が描かれています。多くの画家によって教会にまつわる事柄が一面に描かれていて印象的です。

ソビエスキの間

ソビエスキの間にはウィーン包囲戦でオスマン・トルコ軍に勝利したポーランド王ソビエスキを描いた『ソビエスキ、ウィーンを解放する』というジャン・マテフコ作の絵画が展示されています。

ラファエロの間

ラファエロの間は4つのホールがつながった状態になっていてそれぞれに名前がついています。1つ目がコンスタンティヌスの間。2つ目がヘリオドロスの間。3つ目が署名の間。4つ目が火災の間となっています。ローマ教皇ユリウス2世によって内装装飾の依頼を受けたラファエロによって壁画が施されており、このフレスコ画は今ではルネサンス期の貴重な作品となっていてます。これを目当てにバチカン美術館を訪れる人も多いです。

1.コンスタンティヌスの間

コンスタンティヌスの間は公式行儀やさまざまなレセプションのために造られた部屋で、コンスタンティヌス帝が洗礼を受ける様子やマクセンティウスとの闘いに勝利した様子などが描かれています。

2.ヘリオドロスの間

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ヘリオドロスの間に描かれている『大教皇レオとアッティラの会見』です。

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こちらは『聖ペテロの解放』で天使がペテロを起こしている図が描かれています。光の描き方が絶妙で、まるでそこに本当に牢獄があるかのように見えます。

3.署名の間

署名の間はユリウス2世の書斎兼図書室として使われていた部屋で壁画はすべてラファエロが描いていて見ごたえがあります。

正義の女神

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剣と天秤を手にする姿は法の下の平等を表しています。署名の間はもともと使徒座署名院最高裁判所があった場所で正義の女神が描かれていることも納得できますね。

聖体の議論

聖体の議論では天井側を天国、床側を地上として天国には父なる神がおり、その下にキリスト、キリストの左右には聖母マリアと洗礼者ヨハネが腰かけ聖人たちがいます。地上には祭壇が置かれ祭壇を囲むように教会の博士や神学者たちが議論をしている図が描かれています。

アテネの学堂

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著名の間にはラファエロの代表作である『アテネイの学堂』が描かれていて、バチカン美術館の中でも1、2位を争うほど有名な作品の一つでこの作品は見ておきたいですね。中央に描かれているのはプラトンとアリストテレスです。他にもヘラクレイトスなど哲学者や科学者が多く描かれています。面白いのは、プラトンはレオナルド・ダ・ヴィンチを模して描かれ、ヘラクレイトスはミケランジェロをモデルに描かれているところです。ラファエロ自身もこの絵の中には描かれていてユーモアのセンスも持ち合わせている画家であったことが伺えます。

4.火災の間

もとは食堂だった部屋でボルゴの火災の壁画がこの部屋の名の由来になっています。

ボルゴの火災

847年に起きたサン・ピエトロ大聖堂前のボルゴ地区で起きた大火災のことで、教皇レオ4世が十字を切り火事を消し止めたという逸話を描いた『ボルゴの火災』が見られます。

カール大帝の戴冠式

サン・ピエトロ大聖堂で行われたレオ3世によるカール大帝への戴冠式の様子を描いた『シャルル・マーニュの戴冠』です。それまでのローマ帝国では市民やローマ軍、元老院の同意を得ることで皇帝を選任していましたが野心家だった当時のローマ教皇レオ3世によってローマ教皇が皇帝を選任するという前例を作ったまさにそのときの歴史に残る戴冠式を描いた作品です。

オスティアの戦い

オスティア港でサラセンの海賊に戦いを挑み勝利したときのことを描いた壁画です。西ローマ帝国が滅亡後イタリア半島はサラセンの海賊船に悩まされていました。これらを撃墜したのはアマルフィ、ガエタ、ナポリの艦隊でローマ教皇レオ4世によって招集されました。

まとめ

バチカン美術館はとにかく広くざっくりと見て回っても3~4時間はかかります。しっかり見て回ろうとするなら1日2日の見学日数では到底無理でしょう。見たい作品をピックアップして見学するのもいいですし、できれば2度3度と機会をつくって訪れてみたい美術館です。何度訪れても新たな発見ができるのも世界最大級のバチカン美術館ならではなのではないでしょうか。


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